ソニック2012-01-31

採点表
キャプティバに続く新生シボレー第二弾。
日本でのシボレーというと、コルベットやカマロなど、アメリカを象徴するようなアイコンカーのブランドというイメージが強かった。つまり、カーズやトランスフォーマーに代表されるような、ザ・アメリカ的イメージだ。これは全世界共通で、本国アメリカでも「シボレー」という単語自体、ポップカルチャーのひとつになっている。シボレーブランドをいちばん的確に表す単語は、パッション(情熱)。クール(カッコイイ)で、ファン(楽しい)で、フリーダム(自由な)ブランド、というイメージをいつの時代も強く打ち出してきた。
そのシボレーは今年で100周年を迎える。リーマンショックを乗り越え、新生GMになって2年。特に韓国やBRICs諸国などで驚異的伸びを見せ、今や世界のトップ5ブランドの中で、唯一シェアを伸ばしている存在だ。
日本でも新生GMとして、ラグジュアリーブランドとしてのキャデラック、グローバルブランドとしてのシボレーと2ブランド戦略を確立。特にシボレーブランドでは、もっと親しみやすい車種の投入が始まった。その第一弾が2011年夏にやってきたキャプティバ、そして第二弾が今回のソニックだ。
| レポート日:2012-01-31 | 試乗日:2011-12-12 |
| レポート:竹岡 圭 | 試乗地:千葉県・木更津周辺 |
| 撮影:原田 淳 | 天候:晴れ |
世界各国のGM技術を結集したソニック。
最近のGMお得意の、世界各国のGMの開発部隊からイイトコ取りするクルマ作り、グローバル・アーキテクチャー。ソニックもこの方式が採用され、デザインは韓国とアメリカ、エンジニアリングは欧州と、それぞれの英知を結集。世界7カ所の工場で生産され、60カ国以上で販売されるシボレーの最量販車種として誕生した。国によっては「アベオ」という名前で販売される。ちなみに日本では韓国の工場で作られたものがやってくる。
特徴的なのはデザイン。「ワイルド・コンパクト」というキャッチコピーがつけられているのを見てもわかるように、いわゆるコンパクトカーらしいデザインとは一線を画している。バイクのようなデザインの立体的なヘッドランプ&リアコンビランプに、全面で際立つキャラクターラインと、非常に押し出し感が強い。5ドアだが3ドアに見えるサイドビューは「ボディ・イン・ホイール・アウト」のシボレーの新デザインコンセプトを採用。かなりデコラティブなデザインだが、空力は意外と考慮されておりCd値は0.32だ。またパーツごとのスキマが3.5mm以下に抑えられており、見た目もキレイな上に質感が高いのも好感が持てる。
スタイルに比べると走りはややマイルド。
直列4気筒1.6Lエンジンはオペルに搭載されていたものの改良型で、給排気カムシャフトの位置変化でバルブタイミングを調整する機構が盛り込まれた。ミッションは、コンパクトカーとしてはGM初の自社製6速AT。マニュアルモードは、Mレンジに入れた後、シフトノブ上部についたプッシュボタンスイッチでシフトのアップ/ダウン操作を行う。タップシフトと呼ばれ、慣れるまでは操作しにくいが、どことなくゲームのコントローラーのようで、若者には馴染みやすいかも。
気になるのはJC08モードで10.9km/L(10・15モードで11.3km/L)という燃費性能。もう少し頑張って欲しい。市街地走行だと3000rpmくらい引っ張る変速セッティングが、少々足を引っ張っているのだろう。ちなみに6速100km/h走行時のエンジン回転数は約2100rpm。アメリカ車らしく、高速走行の方が燃費の面でも走りの面でも得意のようだ。全体的なフィーリングとしても、速度が乗ってしまえば維持はしやすいが、出足や中間加速の素早さは抑え目といったところで、デザインがスポーティなわりにややマイルドな性格にまとめられている。
乗ってしまうと感じるアメリカ車らしさ。
ウインカーレバーが右側に変更されているのは、国産車からの乗り替え組にはありがたい。走り出して、なんだか乗り心地が硬いなぁと思ってオドメーターを見ると、まだ400km。さすがにアタリがついていないようで、少々凸凹を乗り越えるとゴツゴツくる。1000kmくらい走るとサスペンションが馴染んでくるタイプとのことなので、まだかなりフィーリングが変わりそうだ。その片鱗はフラット路面でのスムーズさやしなやかさで感じることができたので、もう少し長く乗ってみたいところだ。
ハンドリングは最近のアメリカ車っぽく、舵角少なめでキレイにラインをトレースしてくれるタイプ。欲を言えば、パワーステアリングのビルトアップ感がもう少し欲しいところだが、すぐ慣れてしまうレベル。小回りもよく利くので、街中での機動性も高いのは、コンパクトカーという性格からしても高ポイントだ。残念なのは、Dピラーが太く斜め後方の視界はいまひとつなこと。また、前席はかなり静粛性が高いが、後席はロードノイズが少々気になった。
他人と違ったコンパクトが欲しいなら…。
インテリアもまたユニークだ。バイクをモチーフにしたメーターは、スピードはデジタル、タコはアナログというハイブリッドタイプ。センタークラスターもブルーの照明で彩られ、なんとなくSF映画の未来のコクピットやゲームの中にいるような感覚にさせられる。
前席に比べ後席はシート自体のサイズが少々小ぶりだが、膝まわりが880mm以上、ヘッドクリアランスは980mmと余裕があり、大人4名が十分座れる。シアター方式で後席ヒップポイントが高くなっているので見晴らしもいい。ただ残念なのは、後席用のカップホルダーが1つしかなく、前席のドアポケットには、アメリカらしく大型のコーラが入るボトルホルダーがあるが、後席にはボトルホルダーがない。このあたりのユーティリティは日本車の方が上だ。ラゲッジは日常+αで使うのに十分な広さで、6:4分割可倒式の後席を倒すと290Lから690Lまで拡大できる。床面にはボードを装備して2段式となっているため、ほぼフラットな空間が作り出せる。
日本ゼネラルモーターズ(株)カスタマ-アシスタンスセンター 03-6711-5700
http://www.gm-corvette.jp/
主要諸元 SPEC DATA
| グレード名 | LT |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4050 x 1740 x 1525 |
| ホイールベース(mm) | 2525 |
| トレッド 前/後(mm) | 1510/1500 |
| 車両重量(kg) | 1220 |
| 種類 | 4DOHC |
| 総排気量(cc) | 1597 |
| 最高出力(kw[ps] / rpm) | 85(115)/6000 |
| 最大トルク(Nm[kgm] / rpm) | 155(15.8)/4000 |
| 駆動方式 | FF |
| トランスミッション | 6速AT |
| サスペンション 前 | ストラット |
| サスペンション 後 | トーションビーム |
| ブレーキ 前/後 | ディスク/リーディングトレーリング |
| タイヤサイズ | 195/65R15 |
| 車両価格(税込み・単位=万円) | 198.0 |

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