カムリ ハイブリッド2012-01-25

採点表
今までは日本では目立たなかったけれど…。
8代目となるカムリがデビューした。とは言っても、日本ではあまり見かけないような…と思われる人も多いだろう。事実そのとおり。カムリの販売のメインは北米。販売割合を見てみると「日本+その他」という枠で1%しかなく、北米がその52%を占めている。ちなみに次点の22%が中国というのも、昨今の販売事情が反映された結果だろう。
このうように日本では非常に存在感が薄いセダンなのだが、その理由として、クラウンは最上級、マークXはFR、プレミオは5ナンバー、SAIは小さくて高級、などとキャッチフレーズが付く中で、なんとなく中途半端な位置づけだったこともあるだろう。
そして今回は存在感を発揮するべく、日本市場ではハイブリッド専用車としてデビュー。これにより、SAIよりはサイズ的にひとクラス上、広さ的にはクラウンハイブリッドを凌ぐけれど、価格的にはお手頃と、位置付けがハッキリして選びやすくなった。
| レポート日:2012-01-25 | 試乗日:2012-01-10 |
| レポート:竹岡 圭 | 試乗地:東京都・お台場周辺 |
| 撮影:井上雅行 | 天候:晴れ |
室内空間の広さは文句なしだが気になる点も。
カムリのパッケージングでの特筆モノは、とにかく広いこと! これまでも十分広かったのだが、前席のペダルを7mm前に出し、後席を8mm下げることで、結果として前後席間距離は+15mm。それに加えてシート形状の工夫などによって後席の膝まわりは+46mm広がった。後席は足がゆったり組めるほど広く、そんじょそこらのショーファーカーもどきには、絶対に負けない空間が広がっている。それに合わせて、インテリアも高級感を演出している。ソフトパッド類にはステッチを施したり、イルミネーションを用いたりと。
ただ、インパネまわりの樹脂部分が若干プラスティッキーなのが気になってしまうのが残念。さらにハイブリッド(モーター)用のバッテリーを冷やすためのダクトが、シート部分にモロに樹脂をはめ込んだカタチで設けられているので、どうにも気になってしまう。座った時に当たったりはしないのだが、どうにも目に入ってしまう。効率のよい位置なのかもしれないが、高級セダンなのだからもう少し見た目を気にして欲しい。
ハイブリッドを意識しないで乗ることができる。
新開発2.5Lのアトキンソンサイクルエンジンに、モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。クールEGRなども併用することで、とにかく燃費がいいのには驚かされる。新燃費基準となるJC08モードで23.4km/Lという数字は、このクラスのセダンではブッチギリの燃費のよさだ。しかもパワー面では3Lガソリン車並みのゆとりを発揮してくれる。
この燃費のよさには、Cd値0.28という空力のいいボディデザインと、先代よりも100kg軽く、またサイズ的にはほぼ同クラスのクラウンハイブリッドよりも290kg軽い車両重量が貢献している。
動力性能に関しては、結果的に燃費はかなりいいものの、開発者の方によると、まずは安心感、次に燃費を狙って開発したという。そのためか、ハイブリッドが持つ独特の違和感のようなものがまったくない。言われなければ、普通のガソリン車に乗っている感覚で走れてしまう。初めてハイブリッドを体験する方でも、何の疑問も持たずにスッと乗りこなせてしまうハズだ。そして、これこそが狙った安心感につながってくるポイントなのだ。まさに、主張しないハイブリッドである。
走り味と乗り心地がうまくまとまった。
ドッシリと大きなボディに見合った安心感のある走りを目指したというカムリ。確かに高速走行でもチョロチョロした感じはなく、センターも落ち着いた感じで安定して走ってくれる。気になったのは、高速領域で微小舵角を与えたとき。つまりレーンチェンジの時に相当すると思ってもらうといいかもしれない。ちょっと動きが唐突な部分があって、それまでの落ち着いた感じとはガラリと雰囲気が変わってしまうのだ。
また街中では、40km/hくらいでパワステのアシスト力が変わるようで、その領域だけどっちつかずの感があるが、それ以外は至極安定したものなので、普通に交差点を曲がるときくらいステアリングを切るなんて場合は何の違和感もない。ただ全領域で安心感を前面に出すなら、もう少し欲張りたいところではある。さらに言ってしまうと、最小回転半径が5.5mと大きめ。同じくらいのサイズのクラウンHVが5.2mということで、街中での取り回しは全幅が1825mmあることもあり、少々気を遣うかもしれない。ただ見切りなどはさほど悪くないので、慣れてしまえば問題ないだろう。全体的には、走り味と乗り心地が上手くまとまったセッティングだと思う。
ラゲッジルームも広いし、中身は充実。
空力の良さは前述したが、床下の整流はもちろんのこと、ドアミラーの付け根にはF1で培ったエアロフィンの技術がフィードバックされているというから驚きだ。カムリとF1はまったく結びつかなかったが、それでこその燃費のよさなんだと、数字を見せられると頷けるものがある。そのおかげなのか、静粛性もすこぶる高い。もちろんハイブリッドなので街中でEVモードを選択すれば静かなのは当たり前だが、高速でも風切り音もほぼなく非常にゆったり気分のクルージングが楽しめるのだ。
色々な層にアピールできそうな1台なのだが、やはりメインは「既存のハイブリッドじゃ小さい」「広いハイブリッドが欲しい」という方々がターゲットになると思う。そんな声に応えるべく、ラゲッジもこれまた広々。セダンタイプのハイブリッド車の中では最大の440Lを確保しているので、ゴルバッグなら4個搭載することができる。また6:4分割可倒式のリアシート右側はトランクスルー機構が付いているので、長尺モノもOKと懇切丁寧な心遣い。カムリを選ぶユーザーのことを考えて、本当に必要なものを盛り込んだ点が、8代目のいちばんの魅力と言えそうだ。
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主要諸元 SPEC DATA
| グレード名 | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4825 x 1825 x 1470 |
| ホイールベース(mm) | 2775 |
| トレッド 前/後(mm) | 1575/1565 |
| 車両重量(kg) | 1540 |
| 種類 | 直4DOHC |
| 総排気量(cc) | 2493 |
| 最高出力(kw[ps] / rpm) | 118(160)/5700 |
| 最大トルク(Nm[kgm] / rpm) | 213(21.7)/4500 |
| 駆動方式 | FF |
| トランスミッション | CVT |
| サスペンション 前 | ストラット |
| サスペンション 後 | ストラット |
| ブレーキ 前/後 | Vディスク/ディスク |
| タイヤサイズ | 215/60R16 |
| モーター最高出力
モーター最大トルク | 105kW(143ps)
270Nm(27.5kgm) |
| 車両価格(税込み・単位=万円) | 304.0 |

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