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E
2010-09-03

採点表

7
動力性能
データ収集実験段階だけれど、パワー的にはかなりのもの。
4
操縦安定性
データ収集実験の現時点ではトルクステアがものすごい。
4
パッケージング
このサイズだとやはり4名乗車+ラゲッジは必要。
6
安全性能
市販車ではないけれど、必要最低限の安全性能は備えている。
10
環境性能
こんな楽しいEVカーが増えると街並みも変わりそう。
7
総合評価
EVカーの多様化を感じさせてくれる1台だ。

一足先にBMWの公道実証試験車の実力をチェック。

 たま電気自動車から始まるという説が有力な、日本の電気自動車の歴史には敵わないものの、BMWがEVに取り組み始めたのも、かなり以前からのことだった。公の場所で走らせたのは、1972年のミュンヘンオリンピックが最初で、長距離走とマラソンの伴走車としてBMW1602が登場している。その後2007年には、社内のシンクタンク「プロジェクト・アイ」が発足され、量産化に向けて本格的なデータ収集や研究が開始されることとなる。
 そして現在は、ミニのコンバートEVであるミニEをアメリカに450台(東、西海岸に半分ずつ)、ドイツに65台(ベルリンとミュンヘン)、イギリス(ロンドン)に40台の合計555台投入し、公道実証試験中なのだ。
 しかもこの実験まだまだ拡大することが決まっており、2010年中に中国で、2011年初めに日本でも開始される。ということで今回試乗したのは、あくまで実験車両。来年からの公道実証実験にも、このクルマがそのまま来るということではなく、日本の交通状況を鑑みたブラッシュアップ版が到来する予定。

試乗データ
レポート日:2010-09-03試乗日:2010-06-18
レポート:竹岡 圭試乗地:東京都・お台場周辺
撮影:原田 淳天候:曇り

電池や制御機器搭載で仕方ないとはいえ定員2名は残念。

 実験車両とは思えないほどカワイイデザイン! こういう遊び心をきちんと盛り込んでくるのが、やはりミニらしいところだ。ミニのデザインは好みじゃないという人はいるかもしれないが、キライ! という人にはあまりお目にかかったことがないので、これならばミニファンはもちろん、未来的乗り物として興味がある人の心を揺さぶるのは間違いない。後席部分がすべて電池+EVに必要な制御系で埋まっているので、2名乗車になってしまってはいるものの、そのカバーまでちゃんとデザインされているのがなんとも心憎い。
 気になったのはメーター。現在ステアリング上にある、ガソリン車でタコメーターのところがバッテリー残量計。スピードメーター内にある燃料計のところがパワーメーターになっているが、ガソリン車に慣れたユーザーからすると、逆のほうが見やすいと思う。ミニのスピードメーターは中央にあるので、その中にある小さなパワーメーターではどうにも見難い。バッテリー残量も気にはなるが、走行中いかにエコ運転するかということならば、ステアリング上の見やすい位置にあるメーターを、パワーメーターにしたほうが使いやすいと思うのだ。


アクセルを開けた瞬間MAXトルクで強力加速!

 アクセルを踏みこむと、220Nmのトルクが一気にドドーンと体をのけぞらせる! ガソリン車のクーパーSよりはやや抑えられたトルクとはいえ、ペダルをグイッと踏み込めばいきなりのMAXトルクが発生するのだ。
 何度も言うが、データ収集を兼ねているので、ものすごく極端な味付けが施されている。アクセルペダルも国産コンパクトカーほど軽くないので、ミニらしい元気いっぱいの方向性で行くならば、i-MiEVのようにクリープ現象があるほうが普段使いではラクなハズだ。
 そして減速がこれまた極端。アクセルオフすると、回生ブレーキがMAX設定の0.3Gも掛かるように設定されている。0.3Gと言えば、ちょっとした急ブレーキ! 回生中はブレーキランプが点灯する仕組みになっているから後続車への心配はないが、アクセルを少し緩めただけでも減速は始まるので、クルージング中はパーシャル+α、ホンの少しアクセルペダルに力を込めていないと、どんどんスピードが落ちてきてしまう。しかし、減速をアクセルペダルのみでコントロールするのは新しい面白さがある。上手く運転すれば、完全停止する瞬間にだけブレーキを踏むことも可能なのだ。


トルクステアはご愛嬌。上手く躾ければ未来は明るい。

 何も聞かされずに乗ったとしたら、20年前のFF車かと思った…というくらいのトルクステアに驚かされることは間違いない。前輪が踊りだすようなトルクステアに手に汗握りながら、ステアリングをギュギュ~ッと握りしめることが必須なのだ。もちろんこのままの設定で登場はしないハズだが、ミニの素性から来るものなのか、ハンドリングはかなりキビキビとしている。
 上手くセッティングすれば、スポーツEVとなること確実だ。走り出しからビッグトルクを得られ、ガソリン車と比べてもよりスポーツ性の高いクルマになる予感さえする。
 前述したアクセルオフブレーキを上手く使えば、このままモータースポーツシーンに持っていっても面白いことになりそうだ。このようなEVの多様化が進めば、また街の彩りも華やかになるに違いないと、否が応でも期待を持ってしまう。
 さて、バッテリー重量は260kg。前後重量バランスはほぼ50対50というスペックがいかにもBMWらしいが、後席まるごと+燃料タンク部分に電池が配されているため、やっぱりリアが重く感じられるのは致し方ない。ガソリン車からのコンバージョンEVでは、やはり限界があるのだ。


ドイツ流合理性はわかるが、日本では通用しないかも。

 EVと言えば、どうしても気になるのが航続距離。現在のところ180kmと、国産EVよりは長めだが、実はミニEは急速充電器を使える方式になっていない。なんでも1日当たりの平均走行距離はドイツで36km、日本で28kmだから、今の実験データでは必要ないということらしいが、やはり急速充電器がないと、広まるには難しいような気がする。ちなみに日本とは事情は違うが、充電に掛かる時間は50Aで2.4時間、32Aで3.8時間、12Aで10.1時間とのことだ。
 さて、BMWはさらに2011年から1シリーズをベースにした4人乗りのEV、BMWコンセプトアクティブEを試験導入し、2013年にはBMWのサブブランドとして、メガシティビークルというシティコミューターサイズのクルマを量産することが予定されている。ちなみにアクティブEのパワートレーンは、ミニEとはまったく異なる新しいものになるらしいが、すべては2013年につながる実証実験の一環というワケなのだ。果たしてどんなクルマが登場するのか、今から楽しみである。

問い合わせ先

MINI カスタマーセンター 0120-56-5532
http://www.mini.jp/

主要諸元 SPEC DATA

グレード名
全長×全幅×全高(mm)
ホイールベース(mm)
トレッド 前/後(mm)0/0
車両重量(kg)
種類0
総排気量(cc)0
最高出力(kw[ps] / rpm)()/
最大トルク(Nm[kgm] / rpm)()/
駆動方式
トランスミッション
サスペンション 前
サスペンション 後
ブレーキ 前/後-/-
タイヤサイズ0/00
車両価格(税込み・単位=万円)