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528i
2010-08-30

採点表

8
動力性能
前のエンジンと言うなかれ。普通に気持ちよく乗れる!
8
操縦安定性
アクティブ・ステアリングのおかげで本当によく曲がる!
8
パッケージング
ひと回り大きくなって室内は広々。取り回しも楽々。
10
安全性能
グレードを問わず安全装備はすべて着いていて文句ナシ。
7
環境性能
BMW初のエコカー減税対応車ということで、話題性抜群。
7
総合評価
個人的には、5シリーズらしい重厚感が薄れて少々残念。

7年ぶりにFMCした5シリーズにエコカー減税適応車設定。

 元祖スポーティプレミアムサルーンと言えば、最初にBMWの名が浮上する方が多いのではないだろうか? その中核を担う“5シリーズ”が、第6世代へとフルモデルチェンジした。実に7年ぶりの大変身だから、ずいぶん待たされていた方も多いことだろう。ラインアップは、直6・3Lエンジンを搭載する528i、535i、V8・4.4Lを搭載する550iの3モデル(後に523iが加わり4モデルとなった)。いずれも8速ATとの組み合わせとなる。
 その中でも今、注目を集めているのがBMW初のエコカー減税適応車となる、528iの存在だ(後に加わった523iもエコカー減税適応車)。BMWのようなプレミアムブランドがエコカー減税?と思う方もいらっしゃるかもしれないが、やはり実際に購入するとなるとお買い得なほうがいいに決まっている。ちなみに、燃費基準は平成22年度+15%、排出ガスは四つ星となっていて、エコカー減税と新車購入補助金を合わせると最大約43万円のメリットを享受できる。
 

試乗データ
レポート日:2010-08-30試乗日:2010-07-06
レポート:竹岡 圭試乗地:神奈川県・箱根周辺
撮影:玉井 充天候:晴れ

クルマを身にまとう感覚はBMWの伝統に基づいた味わい。

 先代の挑戦的な猛禽類の顔とはだいぶ変わり、どちらかと言うと万人受けする顔になった。女性にはこちらの方が受け入れられそうな気もするが、おとなしくなりすぎて地味に街並みに溶け込み過ぎないか、少々心配だ。ボディサイズはひと回り大きくなったが、コクピットの配置が約7度運転席側に傾けられているせいか、ドライバーズシートに腰を降ろすと、そんなに大きくなったという印象はない。クルマをモビルスーツのように身にまとったような感覚を抱かせるのは、いかにもBMWらしいといったところだ。
 スイッチ類のレイアウトを含むインテリア全面は、伝統のしつらえになっているが、そのぶん乗り換えユーザーとしては使いやすいと思う。一時はかなりの操作系がi-Driveに集約されていたが、このところ日常すぐ使うスイッチは前面に取り出され、走行中にi-Driveを使うのは、主にナビや詳細情報を得るときだけという方向に進んでおり、初めてBMWに触れるという人も、以前ほどの戸惑いはないハズだ。


BMW伝統の直6は、パワーも静粛性も文句なしの一級品。

 5シリーズの中ではエントリーモデルとなる528iは(その後523iが登場したので下から2番目となったが)、直6・3Lエンジンを搭載している。ということは、535iとはターボの有無違い? と早合点してしまいがちだが、実は535iとはエンジンが違う。528iのエンジンは先代の530iに搭載されていた、アルミニウム合金とマグネシウム合金を使った軽量型なのだ。
 な~んだ、ってことはひと昔前のエンジンってこと?と言うなかれ。確かにそうなのだが、これが予想以上にイイのだ! ヘタにエコに振ってないせいかパワーも十分。NAらしい素直な特性で、ヘンなクセもないし、イヤな音もしないしで、すこぶる扱いやすかったりする。誤解を恐れずに言い切ってしまうと、エンジン単体で言えば535iはターボというには物足りないと思えてしまうほど、528iはパワフルなのである。これでエコカー減税適応というのだから、ユーザーの気を惹かないワケはないのだ。
 組み合わされる多段化された8速ATは、ストップ&ゴーの多い日本の道路事情にはマッチングがよく、すこぶるスムーズだ。


アクティブステアリングがハンドリングの次元を変えた。

 全長4910mm×全幅1860mm×全高1475mmというボディサイズは、日本の交通事情を考えると、ミドルサイズセダンとしてはかなり大きい部類だ。サイズだけ見てしまうと、正直狭い街中で取り回すのは一苦労のように感じてしまうが、インテグレイテッド・アクティブ・ステアリングという、車速に応じて可変制御するアクティブ・ステアリングに、後輪のステアリング機能を加えたシステムが利いているため、サイズを感じさせないほど操りやすい。
 これは時速約60km/h未満では前輪に対して後輪を逆に操舵、それ以上だと前輪と同じ向きに素早く動きを変えることで走行安定性を向上させるもの。おかげで、街中での取り回しもさほど苦労することがなく、先代同様十分使えるのだ。またこのシステムのおかげで、タイトコーナーでもスイスイ、ヒラヒラと身を翻すように走れてしまう。
 ただ、全体のフィーリングとしては少々軽すぎるキライがある。個人的に頭の中に思い描いている、5シリーズっぽい重厚感がどうにも薄く感じられた。


7感覚が味わえるおっとり型の550i。

 528iと同時に、アダプティブドライブが装着された535iと、550iにも試乗したが、正直言って535iのフィーリングはあまり好みではなかった。特に気になったのが、エンジンから伝わってくる音や振動と、機械的に作られた感じが強いフラットライドな乗り味。アダプティブドライブの影響だと思うが、どちらかと言えば何も付いていない528iの方がナチュラルで扱いやすかった。
 550iは打って変わって、おっとりとしたフィーリング。7シリーズの小型版といったような、優雅でジェントリーな味付けは、サイズ的には少しでもコンパクトなほうがいいけれど、あのたおやかな感じで走りたいという人には打ってつけだと思う。18インチタイヤが履かされているものの、ダイナミック・ドライビング・コントロールでコンフォートを選べば、しっとりとした乗り味が満喫できる。
 また、両車ともに、BMWのマイクロハイブリッドの一貫として、ブレーキ・エネルギー回生システムが採用されているが、ブレーキフィーリングにはまったく影響がないので、その辺りはご安心を。ちなみに唯一発表されている535iの10・15モード燃費は10.6km/Lだ。

問い合わせ先

BMWカスタマー・センター 0120-55-3578
http://www.bmw.co.jp/

主要諸元 SPEC DATA

グレード名
全長×全幅×全高(mm)4910 x 1860 x 1475
ホイールベース(mm)2970
トレッド 前/後(mm)1600/1625
車両重量(kg)
種類直6DOHC
総排気量(cc)2996
最高出力(kw[ps] / rpm)190(258)/6600
最大トルク(Nm[kgm] / rpm)310(31.6)/2600-3000
駆動方式FR
トランスミッション8速AT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン
サスペンション 後 インテグラルアーム
ブレーキ 前/後Vディスク/Vディスク
タイヤサイズ225/55R17
車両価格(税込み・単位=万円)715.0