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X1
2010-08-12

採点表

7
動力性能
SUVらしくトルク重視の設定なので街中でも使いやすい。
6
操縦安定性
高速安定性は高いけれど、ステアフィールが重すぎる。
9
パッケージング
日本で使いやすいサイズ。駐車場も選ばず機動力が高い。
8
安全性能
BMWらしく安全性能はテンコ盛り。OPナシでもOK。
8
環境性能
Lの低燃費性と3Lの燃費向上システム。甲乙つけがたい。
7
総合評価
価格的にも手頃で大ヒットの予感。自信を持って推薦できる。

立体駐車場OKのジャストサイズに大ヒットの予感…。

 2000年に登場したX5から始まり、2004年のX3、2008年のX6とラインアップを充実させてきたBMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)シリーズ。新しいライフスタイルを確立できそうな雰囲気と、オンロードをメインとしながらも、オフロード性能もそこそこのものを確保しているというオールラウンダーながら、世界的に本格的SUVとして定評のあるシリーズと認められている。そこにニューカマーとして加わったのは、X3よりもさらにコンパクトなモデルX1だった。
 昨今の自動車界を見ていると、どのカテゴリーのクルマもボディサイズが小さくなる傾向にある。X1はこのダウンサイジングの時流に見事に乗ったモデルなのだが、予想を上回るコンパクトサイズで登場したのだ。
 全長4470×全幅1800×全高1545(mm)のボディサイズは、道幅の狭い日本の道路事情にピッタリ。中でも注目なのが1545mmの全高で、「ほとんどのタワーパーキングに入れます!」がウリの、セミトールタイプの軽自動車よりも低い設定なのだ。お出掛け先で駐車場所を選ばないお手軽サイズは、都市部のカーライフにもピッタリ。

試乗データ
レポート日:2010-08-12試乗日:2010-05-12
レポート:竹岡 圭試乗地:神奈川県・観音崎周辺
撮影:井上雅行天候:曇り時々晴れ

ベースは3シリーズなので室内も荷室にも余裕があり。

 お手頃サイズがウリのX1だが、ベースのいちばん根底になっているのは3シリーズだ。そこに1&3シリーズのコンポーネンツをミックスしたベース作りとなっているため、室内が狭いということはまったくない。逆に全幅は少々大きめなものの、まさにちょうどいいというサイズ感と言える。インテリアはいかにもBMWといった感じだが、快適装備はふんだんで、ファンにはそこがまたたまらないところだろう。
 往々にして輸入車は小物入れが少なく、国産SUVに比べてしまうとポケッテリアが不足気味なのは否めない。その代わりと言ってはなんだが、ラゲッジ容量は意外と余裕がある。
 その容量は、後席の背もたれの角度でまず決まる。背もたれを立て気味にすると480L。寝かせ気味にすると360L。もちろん背もたれを倒して、荷室MAXにすることもできる。背もたれは4対2対4でアレンジできるので、長尺モノをセンターに搭載し4名乗車なんてことも可能だ。また、アンダーラゲッジには仕切りのついた収納ボックスが用意されているので、三角表示板など普段使わないけれど積んでおく必要があるものを、スッキリと片づけられるのはありがたい。


パワーは2Lで十分だが3Lの回生システムは捨てがたい。

 X1には2つのエンジンが用意されている。150ps・20.4kgmの直列4気筒2Lエンジンと、218ps・28.6kgmの直列6気筒3Lエンジンだ。もちろん3Lモデルの方が余裕があるのは言うまでもないが、車両重量が2WDとAWDで150kgほど違うので、結局のところ相殺という感じは否めない。個人的には2Lで十二分だという印象を受けた。しかし3Lモデルには、最近欠かせない環境心をくすぐられる装備が搭載されている。
 それは、BMWがマイクロ・ハイブリッド・テクノロジーとネーミングしている、ブレーキ・エネルギー回生システムだ。これは、アクセルオフやブレーキング時に、これまで捨てていたエネルギーを電力に変換してバッテリーに蓄えるシステムで、燃料を消費せずにバッテリーを充電できる。つまりオルタネーターの仕事量を軽減することができ、結果燃費が向上するという装置なのだ。おかげでJC08モードでは、両車の差は1km/Lに抑えられている。BMWらしい直6エンジンの味わいとゆとりのパワーを取るか、イマドキのライフスタイルを鑑みて環境性能に徹するか…?悩ましいい限りだ。


3Lのハンドルの重さが女性ユーザーの参入を拒む?

 フィーリングか走りか環境か、いろいろ悩み多き選択のX1だが、個人的には2Lモデルで十分だと思っている。瞬発的速さよりも、ジワーッと粘り強い力強さが欲しくなるクルマの性格を鑑みてもそうだし、2Lでも高速走行で安定感のあるドッシリとしたフィーリングを持っていて、BMWの持つプレミアム感を味わえるし、なんといっても最新鋭装備がヘタに色々付いてない分、自然でわかりやすく乗りやすいのだ。
 それにもうひとつ理由がある。女性の私、ここでX1の難点だとハッキリ言い切ってしまおうと思うが、実は操舵力が相当に重く、車庫入れなど状況によっては、エイヤッ! と掛け声を掛けたくなる場面さえあるくらいなのだ。AWDになるとこの操舵力はさらに重くなる。小回りも利くし、日本人女性にかなり人気が出ると思っているのだが、毎日使う普段使いグルマとしては、ちょっと厳しいレベル。早急な改善を望みたいところだ。
 まぁ、あまりに軽くしてしまうと、美点である高速時の落ち着き感や味わいとかもなくなってしまう恐れがあるが、そのあたり他のBMWは上手い味わいが出せているので、上手くつじつまを合わせてくれることと思う。


非日常気分を安価に入手できる2WDの設定は大正解。

 セミトール系の軽自動車よりも全高は低いものの、セミコマンドポジションのおかげで乗り降りの億劫さがないのは、X1の嬉しいポイントだ。よくSUVをファーストカーとして購入すると、いちいち乗り降りが面倒、駐車場から出すのが面倒という話を聞くが、X1ならそんなことはないだろう。それでいて、遊びに行く気分を盛り上げてくれるスタイリングを持っているため、普段のちょこっとしたお買い物や毎日の通勤などでも「せめてクルマに乗っている間だけでも~」の気分転換をさせてくれるだろうし、お休みの日ならもう文句ナシのホリデー気分を演出してくれるに違いない。
 そんな日常+αの使い方を考えた場合、最近のクロスオーバーSUVらしく2WDモデルが登場したのは、経済性の面でも高ポイントだ。まず燃費が10・15モードで11.4km/L。そして、なんといっても価格が363万円というのが大きい!(ちなみにAWDは480万円)。ライバル達と十分に渡り合える価格の上、AWDモデルと装備の差はほとんどないから、物足りなさを感じることもないだろう。

問い合わせ先

BMWカスタマー・センター 0120-55-3578
http://www.bmw.co.jp/

主要諸元 SPEC DATA

グレード名xDrive25i
全長×全幅×全高(mm)4470 x 1800 x 1545
ホイールベース(mm)2760
トレッド 前/後(mm)1500/1500
車両重量(kg)1710
種類直6DOHC
総排気量(cc)2996
最高出力(kw[ps] / rpm)160(218)/6100
最大トルク(Nm[kgm] / rpm)280(28.6)/2500-3500
駆動方式4WD
トランスミッション6速AT
サスペンション 前 ストラット
サスペンション 後 5リンク
ブレーキ 前/後Vディスク/Vディスク
タイヤサイズ225/50R17
車両価格(税込み・単位=万円)480.0