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カイエン(欧州仕様)
2010-07-29

採点表

9
動力性能
V8エンジン、V6+モーターのハイブリッドとも期待以上。
8
操縦安定性
V8NAの軽快なハンドリングは、SUVの領域を超えている。
8
パッケージング
実際は大きくなっているにも関わらず小さく見えるのは絶妙。
7
安全性能
“安全に走るため”の電子デバイスに抜かりはない。
8
環境性能
CO2排出量を削減したハイブリッドモデルの導入に拍手!
8
総合評価
“ポルシェらしさ”を追求した結論をしっかり感じさせてくれる。

ポルシェ初のSUVが第二世代に。

 今度のカイエンはじつに明確なコンセプトのもと開発された。それは「よりオンロード走行に重点を置いた走り」である。
 5月8日のヨーロッパ発売前にドイツで行なわれた国際試乗会会場で、ポルシェ開発陣はそれを明言した。SUVというポルシェにとって初めてのカテゴリーで開発された初代カイエン。それは明らかに彼らの得意分野であるオンロード色を濃くしたモデルであり、ライバルを圧倒するパフォーマンスを見せた。そして、販売は見事大成功。カイエン用に用意された旧東ドイツのライプツィヒは生産効率を上げるため、工場の拡大も行なってきた。
 ということで、「これまでよりも少ない燃料で大きなパワー」と「より少ないCO2の排出量」というふたつの題目で新型カイエンは誕生した。
 ところで、ライプツィヒの工場だが、ここはカイエンのために作られた。今でこそパナメーラ用生産ラインも共存するが、それとてカイエンの成功あってのものだ。ちなみに、2003~06年はここで1270台のカレラGTも作られていた。

試乗データ
レポート日:2010-07-29試乗日:2010-06-18
レポート:九島辰也試乗地:ドイツ・ライプツィヒ周辺
撮影:ポルシェジャパン天候:晴れ

デザインはパナメーラの血を引く。

 新型カイエンのボディシェルはまったく新しく開発された。目標は従来以上の高剛性とダイエット。現実には111kgの減量を行なった。フェンダーやテールゲートをアルミニウムに置き換えたり、ボンネットやドアの形状を変えている。ちなみに、ボディ成形はVWと共通の場所で行なわれ、ライプツィヒへは貨物列車で運ばれてくる。フロントガラスも組み込まれた状態で納入されるというから効率的だ。
 スリーサイズは従来より若干大きくなるが、数字的に見てもほとんど変わらない。全長が約50mm伸びるが、そのほとんどがホイールベースの拡張によるもの。要するに居住性アップが目的となる。
 デザインは、見れば誰もが思うようにパナメーラの要素を取り入れる。フロントマスクからボンネットにかけてのV字シェープなどはまさにそんな感じだ。ダイナミックな曲線がこれまでもスポーティである性格を表現している。ポルシェのFRグループはしばらくこの“顔”でいくといっていいだろう。


向上したリアシートの居住性。

 さて、インテリアだが、コクピットに座ると新型のキャラクターがよくわかる。従来の比較的ストンと落ちていたダッシュパネルはセンターコンソールへ滑らかなラインを描くものとなった。要するにパッセンジャーカー的テイストが増したということだが、言ってしまえばパナメーラに類似する。これでポルシェのアイデンティティは強まったということだ。
 では、若干ホイールベースが伸びた恩恵はというと、それはリアシートの足下で感じられた。もともとリアの居住性はそれなりにあったと思うが、今回はそれも向上している。また、リアシートはリクライニングが三段階で調整可能だったり、160mmの前後スライドができたりと凝った作りとなる。その辺を鑑みると、パナメーラが登場したとはいえ、大人4人がしっかり座れる“4ドアポルシェ”という定義にブレはない。
 ラゲッジスペースの容量はリアシートを立てた状態で増えている。なので、三分割可能なリアシートのユーティリティを含め、実用性は上がったと言い切れるだろう。この辺も抜かりはない。
 


ハイブリッド車のパワーはトータル380ps。

 エンジンの種類は3.6L V6、4.8L V8、同V8+ツインターボの3機種が、これまで同様ラインアップされる。最高出力300ps/400ps/500psという数値からもわかるように、これらは従来型マイナーチェンジ後のものだ。
 そして、ヨーロッパ向けには240psの3L V6ディーゼルターボエンジンも用意される。
 それはともかく、今回の目玉はやはりハイブリッドに他ならない。パラレル式ハイブリッドの中身は、3L V6+スーパーチャージャーに電気モーターを取りつけたものだ。最高出力は内燃機関が333ps、モーターが47psで、トータル380psとなる。パワーもさることながらやはりCO2排出量の少なさで存在意義をアピールする。1kmあたりのCO2排出量193gは立派だ。
 で、その走りだが、これがじつにナチュラルに駆動しはじめる。パラレル式なのでモーターのみの走行が可能だが、その切り替えに不自然はない。市街地走行でのスタートやオーバードライブ的な領域でスムーズな走りをみせる。
 このシステムは最高60km/hまでモーターのみで加速できるそうだ。まぁ、そこは彼らの意地といもいえる部分だろう。


怒涛のターボとコントローラブルNA。

 ハイブリッドの走りは注目に値するところだが、軽量化されたボディに載るV8エンジンの走りも無視はできない。カイエンというクルマに期待するのは、やはり怒濤の走りでもあるからだ。
 で、まずターボだが、これは率直にいってチカラで持っていくといった感じとなる。踏みはじめから効果を発揮するターボはそのままボディをグイグイ前へ前へと押し出す。ステアリングはあくまでも行く方向を定めるもので、そのあとはすべて電子デバイスがうまくやってくれるといった走りだ。
 これに対し、NAのV8はパワーもありながらもう少しステアリングフィールを楽しんだりクルマの挙動をコントロールするおもしろさを持つ。その意味ではクルマ好きはこちらを選ぶかもしれない。
 ちなみに4WDシステムは軽量アクティブ4WDで、ミッションはカイエンを除き、ワイド化された8段ティプトロニックSが採用される。
 それはそうと気になるのは価格だ。プレゼンテーションではハイブリッドの値段はV8とV8ターボの中間になるといったアナウンスがされた。となると、日本でも1000万円は余裕で超えるだろう。

問い合わせ先

ポルシェ・ジャパン(株) 0120-846-911
http://www.porsche.co.jp/

主要諸元 SPEC DATA

グレード名S Hybrid
全長×全幅×全高(mm)4846 x 1939 x 1705
ホイールベース(mm)2895
トレッド 前/後(mm)1655/1669
車両重量(kg)2315
種類V6DOHC
総排気量(cc)0
最高出力(kw[ps] / rpm)()/
最大トルク(Nm[kgm] / rpm)()/
駆動方式
トランスミッション
サスペンション 前
サスペンション 後
ブレーキ 前/後-/-
タイヤサイズ0/00
車両価格(税込み・単位=万円)