パトリオット2010-03-05

採点表
エコカー補助金は最大で25万円。
エコカー減税、エコカー補助金なんて言葉が飛び交うようになってもうずいぶん経った気がする。 “実弾”とも思えるこの手法は、リーマンショック以降の日本経済にとって大きなカンフル剤となった。
で、当初は国産車専売特許とも思えたこの対策もいまではすっかり輸入車まで波及。アウディなどはエコカー購入補助金対象車の数をホームページで強くうたっている。
さて、ジープ・パトリオットである。このクルマもまた今年平成22年燃費基準達成にともない、エコカー補助金対象車となった。ニュースなのはアメリカ車第一号という部分だが、7リッターV8エンジンではなく4気筒エンジン車であることを考えれば、それほどの驚きはない。
それはそうと、現実に2010年型パトリオットを購入すると10万円の補助金が得られるようになった。さらに、13年以上経つクルマを下取りに出す場合、金額が25万円に跳ね上がる。せっかく今年9月末まで延長された制度だけに、使わない手はない。
| レポート日:2010-03-05 | 試乗日:2010-02-12 |
| レポート:九島辰也 | 試乗地:神奈川県・大磯周辺 |
| 撮影:井上雅行 | 天候:晴れ |
タウンユースを眼目に開発。
パトリオットのキャラクターをおさらいすると、こいつはクライスラーの世界戦略車という位置づけに属す。というのも、中身はダッジ・キャリバーと共有するFFパッケージングで、ジープの名があるものの、タウンユースを前提としている。
つまり、FRをベースとする4WDシステムのユニボディフレームを持つアニキたちとはまったくの別物。その意味じゃこいつを、ルビコントレイルでガンガン走るなんてのは、少々無理な話となる。
が、クルマ自体はじつはよく出来ていて、オンロードの快適性はもちろん、オフロードもそれなりに走るから恐れ入る。ジープの開発陣としては、専用フレームではないこのクルマをどれだけジープに近づけるかというチャレンジだったと思うが、それを彼らは見事にこなした。
スクエアなエクステリアデザインも悪くないし、サイズもいい。じつは日本で大ブレイクした初代XJチェロキーは、現行型よりもパトリオットに近い大きさ。というか、正確にはもっと小さかったのである……。
見切りのよさはジープ伝統の美点。
パトリオットのドライバーズシートに座ると独特の世界感を得る。太いフロントピラーとチョップされたようなルーフの低さで、まるで装甲車にでも乗っているような視界だ。で、思い出したのがハマーH3。上下の高さがないフロントおよびサイドウィンドウはそんな感じである。
もちろん、それでもサイズが比較的小さいことと、リアエンドがストンと切り落とされているデザインのお陰で、縦列駐車やバックに不自由はない。フェンダーの膨らみが小さいことも含め、車両感覚はつかみみやすくなっている。
じつはこの辺もジープのアイデンティティで、オフロード走行での美点になる。林間コースでの車両感覚はクルマを傷つけない重要なポイントだからだ。
2010年モデルは、スポーツ/リミテッドのグレード問わず17インチのアルミホイールが装着される。また、センターコンソールの2つのカップホルダーにイルミネーテッド機能が備わり、ナイトドライブでカップが取りやすくなっている。
この他では、ハンドブレーキノブが革巻きになり、リミテッドの運転席に電動調整機能が付いた。
高級感漂うフラットなコーナリング。
パトリオットのパワーユニットは一種類となる。2.4リッター直4 DOHC16バルブで、最高出力は170psを発生する。従来との変更点はエンジンコントロールユニットのソフトウエアを変更したことで、10・15モード燃料がこれまでの10.0km/Lから10.6km/Lへと変わった。
実際の走りはというと、エンジン出力の出方と絶対的なパワーに不満はない。数値はこのクラスの平均的なものだが、高速道では意外?なほどパワフルに走るし、アクセルに対する反応も悪くない。
が、ちょっと首をひねりたくなるのはトランスミッション。CVTが走りの楽しい部分をスポイルする。ギアが滑りながら加速していく感覚はどうも好きになれないし、マニュアル操作でもその感覚は抜けない。近頃のCVTがこの辺のフィールを改善していることを考えれば、早く次世代へ突入してもらいたい。
逆にコーナリングはこのクルマの長所だ。硬く引き締まった足がロールを抑え、フラットな乗り心地を提供する。クルマ自体が高級感のある味付けとなっているのだ。
個性的なクルマを安価で買えるチャンス。
「アメ車だから……」というエクスキューズはもう過去のもの。サプライヤーが共有化されたりメーカー同士の技術提携が進む中、デザインや味付けの部分以外でどこかの国が大きくひけを取ることはない。
となると、ジープのようなコンセプトのはっきりしたブランドで、なおかつ日常的に扱いやすいクルマは、イメージよく見える。はっきりとした個性が、ドライバーの嗜好をしっかりと表現できるからだ。
特にパトリオットのようなどこから見てもジープとわかり、それでいて使い勝手のいいモデルは都合がいい。その意味では、今回のエコカー補助金対象車というオマケは相当価値が高いといえるだろう。いかにも的な国産エコカーとは注目度もオシャレ度も違う。考えようによっては得した気にさえなるはずだ。
ちなみに価格はスポーツの291.9万円から。スポーツと上級のリミテッドの違いは、オーディオやシートの内容が異なること。もしそこをあまり重視しなければ、今回の措置で、低価格のグレードをさらに安く買うというのもいいだろう。
パトリオットは、後から手を入れていく、なんて楽しみ方も十分できるクルマだから。
クライスラー・ジープ・ダッジコール 0120-712-812
http://www.jeep-japan.com/
主要諸元 SPEC DATA
| グレード名 | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4420 x 1810 x 1665 |
| ホイールベース(mm) | 2635 |
| トレッド 前/後(mm) | 1520/1520 |
| 車両重量(kg) | 1540 |
| 種類 | 直4DOHC |
| 総排気量(cc) | 2359 |
| 最高出力(kw[ps] / rpm) | 125(170)/6000 |
| 最大トルク(Nm[kgm] / rpm) | 220(22.4)/4500 |
| 駆動方式 | 4WD |
| トランスミッション | CVT |
| サスペンション 前 | マクファーソンストラット |
| サスペンション 後 | マルチリンク |
| ブレーキ 前/後 | Vディスク/ディスク |
| タイヤサイズ | 215/60R17 |
| 車両価格(税込み・単位=万円) | 331.80 |
